
2026年5月から表面利回りが大きく動いた東京の駅【2026年9月】一棟収益・件数15件以上の20駅で比較
羅 興开新規事業
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一棟アパート・一棟マンションの購入を検討していると、「この駅の利回りは最近どう動いているのか」が気になります。区単位の平均では見えない動きが、駅ごとの数字には表れることがあります。一方で、駅単位にすると件数が少なくなり、数字が大きく振れやすくなるという難しさもあります。
この記事では、TLL合同会社が運営する Urbalytics の公開マーケットレポート(駅別、2026年9月集計)から、東京都内の駅の一棟収益物件の表面利回りが、2026年5月から9月にかけてどれだけ動いたかを整理しました。駅別の集計は2026年5月以降のデータしか独立して公開されていないため、本記事では前年同月比ではなく「2026年5月比」で比べています。件数の少ない駅を除くため、5月・9月ともデータ15件以上の駅に限りました。
この記事のポイント
- 2026年5月・9月ともデータ15件以上だった東京都内の20駅のうち、一棟収益物件の表面利回り(駅別中央値)が最も上がったのは南千住駅(4.16%→5.66%、+150bps)、最も下がったのは金町駅(6.25%→5.70%、−55bps)でした(Urbalytics マーケットレポート、売出データ)。
- 20駅のうち14駅で利回りが上がり、6駅で下がりました。同じ期間の東京都全体の中央値は5.00%で変わっていません。
- 変化の大きかった駅でも、直近12か月の中央値(重複掲載を除く)は南千住駅4.97%(44件)、金町駅5.75%(47件)などで、単月の大きな動きの多くは物件構成の入れ替わりを含んでいる可能性があります。
なぜ「前年同月比」ではなく「2026年5月比」なのか
Urbalyticsの駅別レポートは、2026年5月以降の月から、物件の種類ごとに独立した集計が公開されています。それより前の月は駅別の数字として比較できる形になっていないため、本記事では公開されている最も古い月である2026年5月と、最新の2026年9月を比べました。1年前との比較が必要な場合は、区単位のデータ(2022年12月以降)を使うのが適切です。区別の前年同月比は「東京23区 一棟収益物件の表面利回りランキング【2026年9月】」で整理しています。
また、駅別の件数は区別より少なくなります。東京都内で一棟収益のデータがある駅のうち、5月・9月ともデータ15件以上だったのは20駅でした。Urbalyticsの公開基準はデータ10件以上ですが、10〜30件程度の月は「1件の増減で中央値が動く」とされているため、本記事では下限を15件に引き上げています。
表面利回りが大きく動いた駅(2026年5月→9月)
上昇幅が大きかったのは、南千住駅(+150bps)、三ノ輪駅(+112bps)、北池袋駅(+72bps)、野方駅(+68bps)、荻窪駅(+51bps)です。低下したのは金町駅(−55bps)、亀有駅(−47bps)、新井薬師前駅(−19bps)、八王子駅(−15bps)、王子駅(−13bps)、三軒茶屋駅(−9bps)の6駅でした。
| 駅 | 市区 | 2026年5月(件数) | 2026年9月(件数) | 変化幅 |
|---|---|---|---|---|
| 南千住駅 | 荒川区 | 4.16%(15件) | 5.66%(18件) | +150bps |
| 三ノ輪駅 | 台東区 | 4.30%(15件) | 5.42%(24件) | +112bps |
| 北池袋駅 | 豊島区 | 4.64%(16件) | 5.36%(16件) | +72bps |
| 野方駅 | 中野区 | 4.59%(17件) | 5.27%(26件) | +68bps |
| 荻窪駅 | 杉並区 | 4.49%(15件) | 5.00%(20件) | +51bps |
| 新小岩駅 | 葛飾区 | 5.18%(15件) | 5.64%(32件) | +46bps |
| 池袋駅 | 豊島区 | 4.47%(22件) | 4.81%(39件) | +34bps |
| 高円寺駅 | 杉並区 | 4.51%(16件) | 4.83%(24件) | +32bps |
| 赤羽駅 | 北区 | 4.30%(15件) | 4.60%(15件) | +30bps |
| 小岩駅 | 江戸川区 | 5.11%(22件) | 5.41%(23件) | +30bps |
| 蒲田駅 | 大田区 | 4.74%(16件) | 5.01%(19件) | +27bps |
| 東武練馬駅 | 板橋区 | 4.92%(23件) | 5.11%(25件) | +19bps |
| 大塚駅前駅 | 豊島区 | 4.11%(16件) | 4.29%(16件) | +18bps |
| 早稲田駅 | 新宿区 | 4.33%(18件) | 4.40%(17件) | +7bps |
| 三軒茶屋駅 | 世田谷区 | 4.05%(15件) | 3.96%(18件) | −9bps |
| 王子駅 | 北区 | 4.70%(17件) | 4.57%(16件) | −13bps |
| 八王子駅 | 八王子市 | 7.86%(23件) | 7.71%(18件) | −15bps |
| 新井薬師前駅 | 中野区 | 5.00%(15件) | 4.81%(17件) | −19bps |
| 亀有駅 | 葛飾区 | 5.75%(15件) | 5.28%(16件) | −47bps |
| 金町駅 | 葛飾区 | 6.25%(16件) | 5.70%(16件) | −55bps |
出典:Urbalytics マーケットレポート(駅別・東京都、一棟収益の表面利回り、2026年5月・9月の集計月)。その駅を最寄りとする一棟収益物件の売出情報(売出中・成約を含む)の月次中央値で、外れ値はIQR法で除外。対象は両月ともデータ15件以上の20駅。bpsは0.01ポイント。2026年10月2日に閲覧。


利回りの上昇は、賃料が同じなら価格が下がったことを、低下は価格が上がったことを意味します。ただし駅別の中央値は、その月に売り出された15〜40件程度の物件の真ん中の値です。価格の高い新築や大型の物件が抜けたり、築古の物件が加わったりするだけで、数字は大きく動きます。
12か月の中央値と比べると見え方が変わる
単月の動きが物件の入れ替わりによるものかを確かめるため、変化の大きかった10駅について、Urbalytics のデータで直近12か月(2025年10月〜2026年10月)に掲載・価格変更のあった売出物件の表面利回りを集計しました(複数サイトの重複掲載は1件にまとめています)。
| 駅 | 2026年5月 | 2026年9月 | 直近12か月の中央値(件数) | 下位1割〜上位1割 |
|---|---|---|---|---|
| 南千住駅 | 4.16% | 5.66% | 4.97%(44件) | 3.94〜8.44% |
| 三ノ輪駅 | 4.30% | 5.42% | 5.13%(59件) | 3.83〜9.59% |
| 北池袋駅 | 4.64% | 5.36% | 4.55%(32件) | 4.13〜6.19% |
| 野方駅 | 4.59% | 5.27% | 5.20%(57件) | 4.16〜7.73% |
| 荻窪駅 | 4.49% | 5.00% | 4.85%(44件) | 3.85〜6.73% |
| 金町駅 | 6.25% | 5.70% | 5.75%(47件) | 4.00〜9.24% |
| 亀有駅 | 5.75% | 5.28% | 5.78%(52件) | 4.20〜8.44% |
| 新井薬師前駅 | 5.00% | 4.81% | 4.77%(44件) | 4.00〜10.21% |
| 八王子駅 | 7.86% | 7.71% | 7.95%(76件) | 6.00〜10.05% |
| 王子駅 | 4.70% | 4.57% | 4.84%(38件) | 3.90〜6.42% |
出典:Urbalytics マーケットレポート(駅別、月次中央値)、および Urbalytics のデータ(2025年10月2日〜2026年10月2日に価格の掲載・変更記録がある一棟収益の売出物件。重複掲載を除き、利回り1%未満・25%超は除外)。金町駅の12か月の値は京成金町駅を含む駅グループで集計。集計日:2026年10月2日。

たとえば南千住駅は、5月4.16%・9月5.66%に対して12か月の中央値は4.97%で、両月の中間にあります。金町駅(12か月5.75%)や三ノ輪駅(同5.13%)も同様です。一方、北池袋駅は12か月の中央値(4.55%)が5月(4.64%)よりも低く、9月の5.36%は12か月の分布の中では高めの水準です。単月の大きな変化だけを見て「この駅は割安になった」「割高になった」と判断するのは早いと言えます。
動いた理由として考えられるのは、①その月に売り出された物件の築年数・規模・構造の違い、②売出価格の見直し(値下げ)、③賃料の見直し、などです。このデータだけではどれが主因かは特定できません。各駅のページでは売出価格・建物面積の中央値の推移も公開されているので、利回りと同時に面積や価格が大きく動いていれば、物件構成の変化の影響が大きいと推測できます。
投資家が確認すべきこと
駅別の利回りの動きを物件探しに使うときは、次の順で確認すると、単月の数字に振り回されにくくなります。
- 件数の下限を決める:月次のデータ件数が少ない駅(目安として15件未満)は、参考値として扱います。
- 月次と12か月を並べる:単月の中央値と、直近12か月の中央値・分布を比べます。
- 中身の変化を確かめる:利回りと同時に、売出価格や建物面積の中央値も動いていないかを見ます。
- 個別の物件を分布に置く:候補物件の利回りが、その駅の分布(駅ページの下位2割〜上位2割や、12か月の下位1割〜上位1割)のどこにあるかを確認します。
- 実質利回りで判断する:管理費・修繕費・税金・空室を差し引いた手取りで比べ、融資条件も含めた収支を確認します。

物件の選び方の基本は「収益物件の選び方」で、購入の手順は「収益物件購入の流れ」で解説しています。TLLが取り扱う物件は会員ページ(無料登録)でご覧いただけるほか、条件に合う物件探しや収支の確認は購入サポートでご相談いただけます。
よくある質問
Q. 利回りが上がった駅は、買い時ということですか?
そうとは限りません。駅別の中央値はその月に売り出された物件の構成で大きく動くため、利回りの上昇が価格の下落を示しているとは言い切れません。12か月の中央値や個別の物件の条件とあわせて判断することをおすすめします。
Q. なぜ件数の下限を15件にしたのですか?
Urbalyticsの公開基準はデータ10件以上ですが、10〜30件程度の月は1件の増減で中央値が動くとされています。比較の信頼性を少しでも高めるため、5月・9月ともデータ15件以上の駅に絞りました。
Q. 駅別の前年同月比は見られますか?
Urbalyticsの駅別レポートは2026年5月以降の集計のみ公開されているため、現時点では前年同月との比較はできません。1年前との比較には区単位のレポートを使ってください。
まとめ
- 5月・9月ともデータ15件以上の東京都内20駅のうち、一棟収益の表面利回りが最も上がったのは南千住駅(+150bps)、最も下がったのは金町駅(−55bps)でした。
- 20駅のうち14駅で利回りが上がり、6駅で下がりましたが、東京都全体の中央値は5.00%で横ばいでした。
- 直近12か月の中央値で見ると、南千住駅4.97%、金町駅5.75%など、単月の動きほどの差はなく、物件構成の入れ替わりの影響を含んでいる可能性があります。
- 駅別の数字は件数・12か月の分布・実質利回りとあわせて確認し、個別の物件の判断に使いましょう。
アイキャッチ画像(イメージ):Photo: HANVIN CHEONG / Unsplash
この記事について
- 執筆
- 羅 興开(新規事業)
都市不動産開発とインフラ投資領域で 10 年以上の実績を持つ事業開発のスペシャリスト。アリババ・ハネウェルにて、中国大手国有交通事業者向けの大規模再開発プロジェクトおよびスマートビルディング・ソリューションの導入を統括。デューデリジェンス、土地取得、ストラクチャリングから竣工後のアセットマネジメントまで、開発バリューチェーン全般を熟知。TLL では新規事業開発と海外投資家向けプロジェクト組成をリードし、ホテル・レジデンス・複合開発案件を推進。
プロフィールを見る → - 運営
- TLL合同会社宅地建物取引業 東京都知事(1)第108202号住宅宿泊管理業 国土交通大臣(01)第F03424号
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