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東京23区 区分マンションの㎡単価・坪単価と前年同月比【2026年9月】都心5区は+6%、その他18区は+20%

李 瀟(宅地建物取引士)販売・PM事業責任者

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東京の中古マンションは「都心が高い」というのは誰でも知っていますが、この1年で値上がりが目立っているのは、実は都心ではありません。区分マンションの売出価格を区別に見ると、港区・中央区はほぼ横ばいで、世田谷区や葛飾区、豊島区、中野区のほうが大きく上がっています。

この記事では、Urbalytics が毎月公開している東京23区の区分マンションの建物㎡単価(売出価格÷専有面積の中央値)を2026年9月時点で区別に並べ、前年同月(2025年9月)と比べます。都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)とその他18区の差、上昇率の大きい区、その背景として考えられること、そして区分マンションのオーナーが売却を考えるときに確認したいことをまとめます。

この記事のポイント

  • 2026年9月の東京23区の区分マンションの建物㎡単価(売出・中央値)は、千代田区246.8万円/㎡、港区246.7万円/㎡が最も高く、最も低い足立区は66.3万円/㎡でした(Urbalytics マーケットレポート)。
  • 前年同月比では、都心5区の件数加重平均が195.3万円/㎡から207.5万円/㎡(+6.2%)だったのに対し、その他18区は95.2万円/㎡から114.0万円/㎡(+19.7%)と、上昇率は都心以外のほうが大きくなっています。
  • 上昇率が最も大きいのは世田谷区(+27.6%)で、港区は−1.8%、中央区は+0.9%でした。同じ1年で売出件数は都心5区で約1.5倍、その他18区で約1.3倍に増えています。

東京23区の区分マンション㎡単価ランキング(2026年9月)

2026年9月時点の建物㎡単価は、千代田区(246.8万円/㎡)と港区(246.7万円/㎡)がほぼ並んで1・2位、続いて渋谷区(205.9万円/㎡)、中央区(203.3万円/㎡)です。都心5区のうち新宿区(143.6万円/㎡)は8位で、目黒区・文京区・品川区が上回っています。最も低いのは足立区(66.3万円/㎡)で、千代田区との差は約3.7倍です。

坪単価に直すと(1坪=約3.31㎡)、千代田区・港区は約815万円/坪、足立区は約219万円/坪です。いずれも成約価格ではなく、売出時点の提示価格の中央値です。

順位区建物㎡単価 2026年9月(万円/㎡)坪換算(万円/坪)2025年9月(万円/㎡)前年同月比売出データ件数(2025年9月→2026年9月)売出価格中央値(万円)
1千代田区246.8815.9205.9+19.9%192 → 31113,980
2港区246.7815.5251.1−1.8%843 → 1,34915,100
3渋谷区205.9680.7185.4+11.1%513 → 76110,400
4中央区203.3672.1201.4+0.9%617 → 1,06812,790
5目黒区160.8531.6132.6+21.3%307 → 4448,580
6文京区158.0522.3132.5+19.2%318 → 4747,890
7品川区157.0519.0130.4+20.4%442 → 7438,680
8新宿区143.6474.7129.7+10.7%726 → 9276,500
9台東区133.9442.6111.8+19.8%372 → 4805,980
10江東区133.1440.0118.9+11.9%663 → 1,0568,980
11豊島区131.6435.0107.2+22.8%406 → 5885,999
12世田谷区123.6408.696.9+27.6%745 → 9357,250
13中野区109.7362.689.4+22.7%269 → 4255,280
14墨田区108.6359.097.2+11.7%351 → 3824,590
15荒川区104.0343.889.9+15.7%202 → 2555,990
16北区101.7336.291.4+11.3%245 → 3295,440
17杉並区95.1314.484.8+12.1%405 → 5084,805
18大田区90.9300.583.5+8.9%589 → 6374,000
19練馬区81.8270.472.6+12.7%435 → 5103,980
20板橋区78.2258.574.4+5.1%510 → 6273,220
21江戸川区77.9257.570.9+9.9%269 → 2925,498
22葛飾区70.5233.157.4+22.8%269 → 3313,985
23足立区66.3219.258.6+13.1%430 → 4963,880

出典:Urbalytics マーケットレポート(エリア別・東京都。前年同月の数値は各区の「区分マンション」ページの月次推移、例:港区)。対象はUrbalyticsが収集した区分マンションの売出情報(売出中・成約を含む)。統計値は中央値(外れ値はIQR法で除外)。集計月2026年9月、2026年10月2日閲覧。太字は都心5区。坪換算はTLLが㎡単価×3.30578で計算。

建物㎡単価の上位12区。千代田区246.8万円/㎡、港区246.7万円/㎡、渋谷区205.9万円/㎡、中央区203.3万円/㎡の順
区分マンションの建物㎡単価 上位12区(2026年9月)(出典:Urbalytics マーケットレポート(エリア別・区分マンション)2026年9月)

都心5区とその他18区の差は縮まっている

都心5区とその他18区を、区ごとの中央値を売出件数で加重平均して比べると、2025年9月は195.3万円/㎡と95.2万円/㎡で約2.05倍の差がありました。2026年9月は207.5万円/㎡と114.0万円/㎡で、差は約1.82倍に縮まっています。

2025年9月を100とした指数で見ると、都心5区は2026年9月に106.2、その他18区は119.7です。その他18区は特に2026年5月以降に上昇が続き、5月の108.2から9月の119.7まで4か月で約11ポイント上がりました。都心5区は2026年1月以降、おおむね102〜106の範囲で推移しています。

2025年9月を100とした指数で、2026年9月は都心5区106.2、その他18区119.7
都心5区とその他18区の建物㎡単価(2025年9月=100)(出典:Urbalytics マーケットレポート(エリア別・区分マンション)をもとにTLL集計)

なお、この加重平均はTLLが各区の公開値から計算したもので、23区全体の中央値ではありません。23区全体の件数加重平均は143.7万円/㎡(2026年9月、13,928件)で、Urbalytics の東京都ページに掲載されている値と一致します。

日中の東京タワーと周囲に広がるビル群を上空から見た様子
日中の東京タワーと周囲のビル群(イメージ)Photo: Jaison Lin / Unsplash

上昇率の大きい区はどこか

前年同月比で上昇率が大きいのは、世田谷区(+27.6%)、葛飾区(+22.8%)、豊島区(+22.8%)、中野区(+22.7%)、目黒区(+21.3%)、品川区(+20.4%)、千代田区(+19.9%)、台東区(+19.8%)です。都心5区の中では千代田区だけが20%近く上がり、渋谷区(+11.1%)と新宿区(+10.7%)は二桁、中央区(+0.9%)と港区(−1.8%)はほぼ横ばいでした。

前年同月比は世田谷区27.6%、葛飾区22.8%、豊島区22.8%などが上位。都心5区は千代田区19.9%、渋谷区11.1%、新宿区10.7%、中央区0.9%、港区マイナス1.8%
建物㎡単価の前年同月比:上昇率上位7区と都心5区(出典:Urbalytics マーケットレポート(エリア別・区分マンション))

上昇率が小さいのは、港区・中央区のほか、板橋区(+5.1%)、大田区(+8.9%)、江戸川区(+9.9%)です。単価の低い区がすべて大きく上がっているわけではなく、区ごとの差が大きい点に注意が必要です。

また、千代田区は2025年9月の売出データが192件と、他の都心の区より少なめです。件数が少ないほど、売り出された物件の顔ぶれ(築年・広さ・階数)の違いで中央値が動きやすい点に留意してください。

なぜ動いたのか:考えられる理由

データからはっきり言えるのは、次の二つです。

  • 売出件数が増えている:売出データ件数は、都心5区で2,891件から4,416件(約1.5倍)、その他18区で7,227件から9,512件(約1.3倍)に増えました。港区は843件から1,349件です。件数はUrbalyticsが捕捉した売出の数で、データの収集範囲の変化も含みえますが、売り物が増えるなかで、都心の高価格帯では価格の伸びが止まっている形です。
  • 値下げも多い:Urbalytics の値下げウォッチでは、2026年8月に東京都の区分マンション6,778件が値下げされ、下げ幅の中央値は−3.9%でした。港区だけで700件(下げ幅中央値−4.0%)です。

そのうえで、都心以外の上昇率が大きい理由としては、都心の価格が高くなりすぎて、買い手が世田谷区・中野区・豊島区・葛飾区などに目を向けている可能性や、これらの区で築浅・駅近の物件の売出が増えて中央値が押し上げられている可能性が考えられます。どちらの影響が大きいかは、このデータだけでは判断できません。今後の価格は金利や供給の動きに左右され、この数字から先行きを予測することはできません。

書類の上に置かれた電卓とペン
書類の上に置かれた電卓とペン(イメージ)Photo: Aaron Lefler / Unsplash

オーナー・投資家が確認すべきこと

区の中央値は、自分の部屋の価格を考える目安にはなりますが、そのまま当てはめるものではありません。売却を考えるときは、次の点を確認します。

  1. 自分の部屋の㎡単価を出す:想定売出価格÷専有面積で㎡単価を出し、区の中央値と比べます。差が大きい場合は、築年・駅距離・階数・広さのどれが理由かを考えます。
  2. 区ではなく駅・マンション単位で比べる:同じ区でも駅によって水準が大きく違います。同じマンションや同じ駅の、近い広さ・築年の売出と成約で比べるのが基本です。
  3. 売出件数の増え方を見る:同じエリア・同じマンションで売出が増えている時期は、買い手が比較しやすく、値下げ交渉が入りやすくなります。売り出すタイミングと価格設定の参考になります。
  4. 売出価格と成約価格の差を想定する:この記事の数値は売出価格です。実際の成約は交渉で下がることがあるため、手取りは成約の目線で試算します。
  5. 税金と費用を差し引いて判断する:保有期間が5年を超えるか(売却した年の1月1日時点で判定)で税率が大きく変わります。詳しくは長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い、費用は不動産売却の仲介手数料をご覧ください。

市況全体を利回りと金利の関係から見た整理は東京の不動産はバブルか?でまとめています。自分の部屋がいまいくらで売れそうかを知りたい方は、TLLの無料査定をご利用ください。

よくある質問

Q. 建物㎡単価とは何ですか?

区分マンションの売出価格を専有面積で割った値で、1㎡あたりいくらで売り出されているかを示します。Urbalytics のマーケットレポートでは区ごとの中央値を掲載しており、成約価格ではなく売出時点の提示価格です。

Q. 都心5区はどの区を指しますか?

この記事では千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区の5区を都心5区としています。2026年9月の㎡単価は、新宿区(143.6万円/㎡)を除く4区が200万円/㎡を超えています。

Q. 港区の㎡単価が前年より下がったのは、値下がりが始まったということですか?

港区は−1.8%で、ほぼ横ばいと見るのが妥当です。同じ期間に売出件数が843件から1,349件に増えており、売り出された物件の構成の変化も含みます。1か月の数字だけで値下がりの始まりと判断することはできません。

Q. ㎡単価を坪単価に直すにはどうすればいいですか?

1坪は約3.31㎡なので、㎡単価に3.31を掛けるとおおよその坪単価になります。港区の246.7万円/㎡は約815万円/坪です。

まとめ

  • 2026年9月の東京23区の区分マンションの建物㎡単価は、千代田区246.8万円/㎡・港区246.7万円/㎡が最も高く、足立区66.3万円/㎡が最も低く、約3.7倍の差があります。
  • 前年同月比は都心5区の加重平均が+6.2%、その他18区が+19.7%で、都心とそれ以外の差は約2.05倍から約1.82倍に縮まりました。
  • 上昇率は世田谷区+27.6%が最大で、港区−1.8%・中央区+0.9%はほぼ横ばい。同じ1年で売出件数は都心5区で約1.5倍に増えています。
  • 売却を考えるときは、区の中央値ではなく同じ駅・同じマンションの売出と成約、売出件数の増え方、税金と費用を含めた手取りで判断します。

アイキャッチ画像(イメージ):Photo: Risto Kokkonen / Unsplash

この記事について

執筆
李 瀟(販売・PM事業責任者)保有資格:宅地建物取引士・ビル経営管理士

収益物件の購入・販売と、取得後のプロパティマネジメントをつなぐ実務責任者。 NTTコミュニケーションズで8年以上、大手企業向けDX案件のプロジェクト管理を担当。要件整理から導入・運用まで、多くの関係者が関わる業務を進めてきた経験を、不動産取引と管理業務に活かしている。宅地建物取引士・ビル経営管理士。 TLLでは、収益物件の販売戦略と投資家への提案、契約、決済・引渡しまでの進行を担当し、PM事業を統括する。物件を選ぶ際は、賃料収入に加え、融資期間や修繕費、売却時の築年数まで確認。取得時の判断と、買った後の運営を切り離さない提案を重視している。コラムでは、買い増しや借り換え、海外在住オーナーの管理など、保有期間中の判断も解説している。

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