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東京23区 区分マンションの募集賃料単価ランキング【2026年9月】前年同月比で上昇が目立つ区と、数字の読み方

李 瀟(宅地建物取引士)販売・PM事業責任者

約11分で読めます

「自分の部屋の家賃は、区の相場と比べて高いのか安いのか」。区分マンションを貸しているオーナーにとって、更新や空室のたびに出てくる疑問です。ただ、家賃の総額だけを並べると、広い部屋の多い区ほど高く見えてしまい、比較になりません。

この記事では、Urbalytics が毎月公開している東京23区の区分マンションの募集賃料単価(1㎡あたりの月額賃料)を、2026年9月時点で区別に並べます。あわせて前年同月比を見ると、23区すべてで上昇しています。ただし、同じ期間に募集されている部屋の広さが大きく変わっており、上昇率をそのまま「家賃の値上がり」と読むと判断を誤ります。どこまでが家賃の変化で、どこからが部屋の構成の変化なのかを分けて整理し、最後にオーナーが自分の物件で確認したいことをまとめます。

この記事のポイント

  • 2026年9月の東京23区の区分マンション募集賃料単価は、港区6,010円/㎡が最も高く、千代田区5,939円/㎡、渋谷区5,676円/㎡が続き、最も低い江戸川区は3,414円/㎡でした(Urbalytics マーケットレポート)。
  • 前年同月比は23区すべてでプラスで、葛飾区+31.9%、足立区+21.8%、江東区+21.6%が大きい一方、同じ期間に募集面積の中央値も23区すべてで縮小しています(例:品川区53.4㎡→26.7㎡)。
  • 募集面積がそろった2026年6月→9月の3か月で見ると、単価の変化は多くの区で2〜6%程度にとどまり、上昇率の多くは、募集データの構成の変化(小さい部屋の増加など)による部分と考えられます。

東京23区の募集賃料単価ランキング(2026年9月)

2026年9月時点で募集賃料単価が最も高いのは港区(6,010円/㎡)で、千代田区・渋谷区・中央区と都心の区が上位に並びます。最も低いのは江戸川区(3,414円/㎡)で、港区との差は約1.8倍です。30㎡の部屋に置き換えると、港区は月額約18.0万円、江戸川区は約10.2万円の水準になります(単価×面積で計算した目安で、実際の募集賃料は個別の条件で変わります)。

ここでいう募集賃料単価は、募集中の部屋の「月額賃料+管理費等」の平均を、平均面積で割った値です。成約賃料ではなく募集時点の賃料で、貸主が提示している水準と考えてください。

順位区募集賃料単価(円/㎡)前年同月比募集面積の中央値(2025年9月→2026年9月)募集データ件数
1港区6,010+3.9%58.2㎡ → 38.5㎡3,027
2千代田区5,939+10.3%53.8㎡ → 31.3㎡918
3渋谷区5,676+2.0%54.8㎡ → 33.3㎡2,437
4中央区5,437+11.9%58.3㎡ → 40.5㎡2,190
5品川区5,258+19.7%53.4㎡ → 26.7㎡3,539
6新宿区5,249+2.6%40.6㎡ → 28.3㎡3,752
7目黒区5,237+10.3%53.6㎡ → 33.0㎡2,080
8江東区5,062+21.6%38.9㎡ → 26.8㎡3,194
9台東区5,061+7.9%40.9㎡ → 34.7㎡2,898
10文京区5,054+9.1%40.5㎡ → 35.1㎡2,032
11墨田区4,897+11.2%40.3㎡ → 30.1㎡2,524
12豊島区4,816+13.7%34.2㎡ → 27.0㎡2,545
13中野区4,470+10.8%38.8㎡ → 27.6㎡2,828
14大田区4,395+20.7%37.3㎡ → 26.0㎡3,911
15世田谷区4,356+10.2%40.9㎡ → 27.7㎡4,353
16北区4,253+10.0%41.9㎡ → 26.6㎡2,216
17荒川区4,238+8.3%45.3㎡ → 34.1㎡1,269
18杉並区4,148+13.6%34.8㎡ → 25.6㎡2,880
19板橋区3,974+16.6%35.2㎡ → 26.1㎡2,982
20練馬区3,584+19.0%38.0㎡ → 28.0㎡2,369
21葛飾区3,524+31.9%30.6㎡ → 25.6㎡1,371
22足立区3,491+21.8%39.6㎡ → 29.2㎡2,403
23江戸川区3,414+11.2%50.7㎡ → 39.2㎡1,804

出典:Urbalytics マーケットレポート(エリア別・東京都の各区「区分マンション」ページ、例:港区)。対象はUrbalyticsが収集した区分マンションの賃貸募集情報。集計月2026年9月、2026年10月2日閲覧。募集賃料単価は(月額賃料+管理費等)の平均÷平均面積。賃貸の推移は各区ページで無料登録後に表示されます。

募集賃料単価の上位12区。港区6,010円/㎡、千代田区5,939円/㎡、渋谷区5,676円/㎡の順
区分マンションの募集賃料単価 上位12区(2026年9月)(出典:Urbalytics マーケットレポート(エリア別・区分マンション)2026年9月)

前年同月比で上昇が目立つ区はどこか

前年同月比(2025年9月→2026年9月)で上昇率が大きいのは、葛飾区(+31.9%)、足立区(+21.8%)、江東区(+21.6%)、大田区(+20.7%)、品川区(+19.7%)、練馬区(+19.0%)です。反対に小さいのは渋谷区(+2.0%)、新宿区(+2.6%)、港区(+3.9%)で、もともと単価の高い区ほど上昇率が小さい傾向が見えます。

ただし、表の右から2列目を見てください。同じ1年で、募集されている部屋の面積の中央値が23区すべてで小さくなっています。品川区は53.4㎡から26.7㎡へ半分になり、港区は58.2㎡から38.5㎡、江東区は38.9㎡から26.8㎡、葛飾区は30.6㎡から25.6㎡です。

ワンルームや1Kのような小さい部屋は、ファミリー向けの広い部屋よりも1㎡あたりの賃料が高くなるのが一般的です。募集の中心が小さい部屋に移れば、どの部屋の家賃も上がっていなくても、区全体の㎡単価は上がって見えます。ただし、面積の縮み方と上昇率は区によって一致しません。渋谷区は54.8㎡から33.3㎡へ大きく縮んだのに+2.0%にとどまり、葛飾区は縮み方が小さいのに+31.9%です。構成の影響の大きさは区ごとに違い、前年同月比だけで区の家賃の勢いを比べることはできません。

フローリングと大きな窓のある、家具のない空室の部屋
家具のない空室の部屋。単価の比較では部屋の広さをそろえることが前提になる(イメージ)Photo: Christian Lue / Unsplash

上昇率のうち、家賃そのものの変化はどのくらいか

部屋の構成の影響を除くと、家賃そのものの上昇は前年同月比よりかなり小さいと考えられます。手がかりは二つあります。

1. 面積がそろった直近3か月の変化

各区の推移を月ごとに見ると、単価が大きく跳ねたのは2026年5月から6月にかけての1か月で、同じ月に募集面積の中央値も23区そろって小さくなっています。たとえば江東区は5月の4,478円/㎡から6月の4,968円/㎡へ1か月で約11%上がり、同時に面積の中央値は31.6㎡から27.0㎡になりました。

6月以降は面積の中央値がほぼ横ばいなので、2026年6月→9月の変化を見ると、構成の影響が小さい比較になります。この3か月の変化は、葛飾区+5.7%(面積25.8㎡→25.6㎡)、練馬区+5.4%、足立区+4.8%、大田区+3.5%、港区+3.1%、渋谷区+2.6%、江東区+1.9%でした。3か月で数%という動きは小さくありませんが、前年同月比の20〜30%とは別物です。

前年同月比では葛飾区31.9%、江東区21.6%などが大きく上昇しているが、募集面積がそろった2026年6月から9月の変化は2〜9%程度にとどまる
募集賃料単価の変化:前年同月比と直近3か月(出典:Urbalytics マーケットレポート(エリア別・区分マンション))

2. 部屋の広さを20〜35㎡に固定した駅別の賃料

Urbalytics の賃料データで、20〜35㎡の部屋に絞って駅別に見ると、2025年10月〜2026年10月に掲載された募集(重複掲載を除く)の㎡単価の中央値は、田町駅(港区)5,033円/㎡(177件)、豊洲駅(江東区)4,776円/㎡(89件)、北千住駅(足立区)4,324円/㎡(335件)、京成金町・金町駅(葛飾区)3,322円/㎡(159件)でした。四半期ごとの平均坪賃料は、4〜6月と7〜9月でほぼ横ばい(豊洲1.50→1.58万円/坪、金町1.07→1.08万円/坪、田町1.65→1.71万円/坪、北千住1.39→1.35万円/坪)で、広さをそろえると急な上昇は見えません。なお、2025年10〜12月の募集は件数が少なく、この統計で1年前と比べることはできません。また、この統計にはアパートの住戸も含まれます。

なぜ動いたのか:考えられる理由

前年同月比の上昇には、性質の違う二つの動きが重なっていると考えられます。

  • 募集の構成の変化:2026年6月を境に、23区すべてで募集面積の中央値が数㎡〜十数㎡小さくなりました。単身向けの小さい部屋の募集が増えたこと、またはデータに取り込まれる募集の構成が変わったことが考えられ、データからはどちらか一方に決めることはできません。いずれにしても、この期間の㎡単価の前年比較は、部屋の構成の違いを大きく含みます。
  • 家賃水準そのものの上昇:面積がそろった6月→9月でも多くの区で数%上がっており、募集賃料が上向いている動きはあると見られます。単価の低い区(葛飾区・練馬区・足立区・江戸川区)で直近の伸びが相対的に大きいのは、都心の家賃が高くなった分、周辺の区に住まいを探す人が増えている可能性がありますが、データだけで理由を特定することはできません。

今後の家賃がどう動くかは、金利、住宅価格、新しい賃貸住宅の供給などに左右され、このデータから先行きを言うことはできません。

夕方の住宅街の通り沿いに並ぶ集合住宅
夕方の住宅街に並ぶ集合住宅(イメージ)Photo: Monineath Horn / Unsplash

オーナー・投資家が確認すべきこと

区の平均単価は、自分の部屋の家賃が妥当かを考える出発点にはなりますが、そのまま当てはめるものではありません。次の順番で確認すると、判断がぶれにくくなります。

  1. 広さをそろえて比べる:自分の部屋の家賃÷専有面積で㎡単価を出し、区の平均ではなく、同じ駅・同じくらいの広さ(±5㎡程度)の募集と比べます。25㎡の部屋を区全体の平均と比べると、構成の違いで高くも安くも見えます。
  2. 管理費等を含めて比べる:この記事の単価は「賃料+管理費等」です。自分の募集条件も同じ定義にそろえます。
  3. 募集賃料と成約賃料の差を見る:募集賃料は貸主の提示額です。空室期間が長い部屋は、実際に決まる賃料が募集より低い可能性があります。管理会社から直近の成約事例と空室日数をもらって確認します。
  4. 更新・入れ替えのタイミングで見直す:周辺の同じ広さの募集が上がっていれば、退去後の再募集で賃料を見直す余地があります。値上げを急ぐより、空室期間とのバランスで判断します。

空室が長引いている場合の手の打ち方はアパートの空室対策で、管理会社に何を任せるかは賃貸管理会社の選び方で整理しています。賃料設定や募集条件の見直しを含めて任せたい方は、TLLの管理代行(アセットマネジメント)もご覧ください。

よくある質問

Q. 募集賃料単価とは何ですか?

募集中の部屋の「月額賃料+管理費等」を面積で割った、1㎡あたりの月額賃料です。Urbalytics のマーケットレポートでは、区ごとの平均賃料を平均面積で割って算出しています。成約賃料ではなく、募集時点の提示額です。

Q. 前年同月比で30%上がった区は、家賃が30%上がったということですか?

そうとは言えません。同じ1年で募集されている部屋の面積が小さくなるなど、募集データの構成が大きく変わっており、その影響で区全体の単価が上がって見えている部分があります。面積がそろった2026年6月→9月で見ると、変化は多くの区で数%です。

Q. 自分の部屋の家賃が相場より安いかどうかは、どう調べればいいですか?

同じ駅・同じくらいの広さ・近い築年数の募集を集め、㎡単価で比べるのが基本です。あわせて、管理会社に直近の成約賃料と空室期間を確認すると、募集賃料との差がわかります。

Q. 港区と江戸川区で単価が1.8倍違うなら、利回りも違いますか?

賃料単価が高い区は物件価格も高いため、利回りが高いとは限りません。区分マンションの売出価格の水準は、同じマーケットレポートの建物㎡単価で区別に確認できます。

まとめ

  • 2026年9月の東京23区の区分マンション募集賃料単価は、港区6,010円/㎡が最も高く、江戸川区3,414円/㎡が最も低く、差は約1.8倍です。
  • 前年同月比は23区すべてでプラス(葛飾区+31.9%など)ですが、同じ期間に募集面積の中央値が23区すべてで縮小しており、上昇率の多くは部屋の構成の変化を含みます。
  • 面積がそろった2026年6月→9月の変化は多くの区で2〜6%程度で、家賃水準そのものの上昇は前年比の数字よりも小さいと考えられます。
  • 自分の部屋の家賃は、区の平均ではなく、同じ駅・同じ広さの募集と成約事例で確かめるのが近道です。

アイキャッチ画像(イメージ):Photo: Marek Okon / Unsplash

この記事について

執筆
李 瀟(販売・PM事業責任者)保有資格:宅地建物取引士・ビル経営管理士

収益物件の購入・販売と、取得後のプロパティマネジメントをつなぐ実務責任者。 NTTコミュニケーションズで8年以上、大手企業向けDX案件のプロジェクト管理を担当。要件整理から導入・運用まで、多くの関係者が関わる業務を進めてきた経験を、不動産取引と管理業務に活かしている。宅地建物取引士・ビル経営管理士。 TLLでは、収益物件の販売戦略と投資家への提案、契約、決済・引渡しまでの進行を担当し、PM事業を統括する。物件を選ぶ際は、賃料収入に加え、融資期間や修繕費、売却時の築年数まで確認。取得時の判断と、買った後の運営を切り離さない提案を重視している。コラムでは、買い増しや借り換え、海外在住オーナーの管理など、保有期間中の判断も解説している。

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TLL合同会社宅地建物取引業 東京都知事(1)第108202号住宅宿泊管理業 国土交通大臣(01)第F03424号

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