住宅の前に並ぶ自動販売機(イメージ)

アパートの付帯収入を増やす方法|駐車場・自販機・トランクルーム・基地局など家賃以外の収入源

栗原 瑞樹(宅地建物取引士)PM事業

約4分で読めます

家賃は相場で上限が決まり、すぐに上げられるものではありません。一方で、敷地や建物の使っていないスペースを活用すれば、家賃とは別の収入(付帯収入)を得られることがあります。

この記事では、一棟アパート・マンションのオーナー様向けに、付帯収入の主な種類と始め方、注意点、そして付帯収入が物件の評価額にも影響する理由を解説します。

付帯収入は評価額にも効く

収益物件の価格は、おおむね「年間の純収益 ÷ 利回り」で決まります。付帯収入で純収益が増えれば、毎年の手取りが増えるだけでなく、売却するときの評価額も上がります。

付帯収入(月額)

年額

評価額への影響(利回り5%で単純計算)

5,000円

6万円

約120万円

2万円

24万円

約480万円

5万円

60万円

約1,200万円

実際の評価では、買主や金融機関が付帯収入をどこまで安定した収入とみなすかによって変わります。契約書や入金の記録を残し、継続して得ている収入であることを示せるようにしておきます。

駐車場・駐輪場・バイク置場

敷地に空きスペースがあれば、最も始めやすいのが駐車場まわりの収入です。

  • 空き区画を外部に貸す:入居者が使っていない区画を、近隣の方に月極で貸します。駐車場の運営会社に一括で貸す方法もあります。

  • 駐輪場・バイク置場の有料化:無料で使われている駐輪場を、登録制・有料にします。放置自転車の整理にもつながります。

  • カーシェアの設置:カーシェア事業者に区画を貸し、入居者の利便性も上げる方法です。

既存の入居者が無料で使っている場合、急な有料化はトラブルや退去の原因になります。賃貸借契約の内容を確認し、新規の入居者から適用するなど段階的に進めます。

自動販売機

敷地の道路に面した場所に自動販売機を置き、売上に応じた手数料を受け取る方法です。設置や商品の補充は設置業者が行い、電気代はオーナーの負担とするのが一般的です。手数料の条件は設置業者や場所によって異なるため、複数社の条件を比べます。

注意点として、夜間の照明や音、周辺のゴミ、たむろなどが入居者の迷惑にならない場所を選びます。電気代を差し引いた手取りが見合うかも確認しておきます。

トランクルーム・倉庫

使っていない倉庫や、長く埋まらない1階の区画などを、トランクルームとして貸す方法です。入居者向けに貸せば、収納の少ない単身者向け物件の付加価値にもなります。

住戸を倉庫として使う場合は、建築基準法上の用途や消防法上の扱いに問題がないか確認が必要です。また、何が保管されるかを契約で制限し、危険物の持ち込みを禁止しておきます。

屋上・壁面の活用

  • 携帯電話の基地局:通信事業者と賃貸借契約を結び、屋上にアンテナを設置する方法です。立地が条件に合えば長期の契約になりやすい一方、入居者への事前の説明や、屋上防水への影響の確認が必要です。

  • 看板広告:幹線道路や駅から見える壁面・屋上に看板を設置し、広告料を受け取ります。自治体の屋外広告物条例による許可が必要な場合があります。

  • 太陽光発電:屋上に設置し、共用部の電気に使うか売電します。屋根の荷重や防水、設置費用の回収期間を確認します。

コストを下げても同じ効果がある

純収益は「収入 − 経費」なので、経費を下げても評価額への効果は同じです。付帯収入とあわせて、次のような見直しも検討します。

  • 共用部の電気代:LED化や、高圧一括受電サービスの導入

  • 火災保険・地震保険:補償内容と保険料の見直し

  • 清掃・点検・管理の委託費:内容と頻度に見合った金額か

空室の活用:マンスリー・民泊への転用

長く埋まらない空室は、家具付きのマンスリー賃貸や民泊として運用する方法もあります。民泊を始めるには、次のいずれかの制度に沿う必要があります。

  • 住宅宿泊事業法(民泊新法):届出制。営業日数は年間180日が上限で、区によってはさらに区域や期間が条例で制限されています。

  • 旅館業法(簡易宿所など):許可制。日数の上限はありませんが、用途地域や建物の設備に条件があります。

  • 国家戦略特区の民泊(特区民泊):東京都内では大田区などで利用できる制度で、最低宿泊日数などの条件があります。

どの制度が使えるかは、物件の所在地(区)と用途地域、建物の消防設備などで変わります。一棟のうち一部の部屋だけを民泊にする場合は、既存の入居者への配慮も必要です。詳しくは民泊運営代行のページをご覧ください。

まとめ

  • 付帯収入は毎年の手取りだけでなく、売却時の評価額も押し上げる。

  • 駐車場・駐輪場の有料化は始めやすいが、既存入居者には段階的に適用する。

  • 自販機・トランクルーム・基地局・看板は、入居者への影響と法令・条例の確認が前提。

  • 経費の削減も、純収益を上げる点では付帯収入と同じ効果がある。

  • 空室の民泊転用は、民泊新法・旅館業・特区民泊のどれが使えるかを区ごとに確認する。

TLL の管理代行では、賃料の見直しに加えて、駐車場・駐輪場の有料化や自販機・基地局などの新たな収入源の提案、運営コストの削減までを行っています。詳しくは資産管理・運用サービスをご覧ください。

この記事について

執筆
栗原 瑞樹(PM事業)保有資格:宅地建物取引士・FP2級・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士

プロパティマネジメント分野で10年以上の経験を有する。賃貸管理・分譲マンション管理の両分野において、オーナー対応、入居者対応、契約管理、修繕対応、理事会・総会運営など幅広い業務を担当。

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運営
TLL合同会社宅地建物取引業 東京都知事(1)第108202号住宅宿泊管理業 国土交通大臣(01)第F03424号

記事中のデータは出典と集計時点を明記しています。相場や制度は変わることがあるため、個別の判断は最新情報と専門家へのご相談のうえで行ってください。

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