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墨田区で民泊・旅館業はできる?2026年4月施行の常駐ルールと営業日の制限

ユエン宿泊事業

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墨田区では、2026年4月1日施行の改正で、旅館業と住宅宿泊事業の運営体制に大きな変更が入りました。旅館業(簡易宿所)では、営業時間中の営業従事者の常駐が義務化され、常駐するための部屋や便所などの設備も必要になりました。

一方、簡易宿所については、2026年4月1日の改正で玄関帳場(フロント)の設置義務が削除されています。一定の条件を満たせば、玄関帳場等に代わる設備を利用することもできます。ただし、本人確認や鍵の受け渡し、緊急時の対応については一定の要件があります。

民泊新法(住宅宿泊事業)では、2026年4月1日以降に届出が受理された新規施設について、管理者が所定の場所に常駐しない場合、日曜日の正午から金曜日の正午まで営業できません。常駐する場合は、この曜日制限の対象外です。

墨田区は国家戦略特区民泊の実施区域ではないため、主に「旅館業」と「住宅宿泊事業」の2つの制度を検討することになります。以下では、2026年4月の改正内容を踏まえて、物件選びと申請前に確認しておきたいポイントを整理します。

本記事の規制情報は、墨田区・墨田区保健所の公開資料をもとに整理したものです(2026年10月時点)。

墨田区の民泊・旅館業規制 早見表

区分

項目

内容

旅館業(簡易宿所)

フロント(玄関帳場)

原則として設置義務なし。一定の条件を満たす代替設備による運営も可能

旅館業(簡易宿所)

従業者の配置

営業時間中の常駐が必要。常駐用の部屋・便所等の設備が必要

旅館業(簡易宿所)

緊急時の対応

常時対応できる体制を確保

旅館業(簡易宿所)

近隣への周知

標識の設置+説明会または戸別訪問

旅館業(簡易宿所)

鍵の受け渡し

本人確認後に適切に交付。キーボックスのみの無人受け渡しは不可

民泊新法(住宅宿泊事業)

区の上乗せ条例

管理者が所定の場所に常駐しない場合、日曜正午~金曜正午は営業不可

民泊新法(住宅宿泊事業)

常駐する場合

曜日制限の対象外。年間180日の範囲で営業可能

既存施設

改正の適用

2026年4月1日時点で許可申請済み、または許可済みの施設は一部の改正規定の適用対象外

2026年4月の改正で何が変わったか

墨田区では、2026年4月1日から旅館業と住宅宿泊事業のルールが強化されました。主な変更点は次のとおりです。

  • 旅館業では、営業時間中の営業従事者の常駐を義務化

  • 常駐するための部屋と、営業従事者が利用できる便所を整備

  • 旅館業の近隣周知の範囲を、おおむね10mから20m以内へ拡大

  • 住宅宿泊事業では、管理者が所定の場所に常駐しない場合、日曜日の正午から金曜日の正午まで営業不可

  • 一方、簡易宿所については、玄関帳場・フロントの設置義務を削除

特に注意したいのは、「2026年4月からフロントが必須になった」のではなく、簡易宿所については玄関帳場等の設置義務が削除されたことです。

また、旅館業の新しい常駐要件については、2026年4月1日の施行時点で、すでに旅館業の許可を受けている施設や、許可申請がされている施設については、一定の改正規定が適用除外となります。

そのため、新規にこれから許可を取得する事業者と、改正前から手続きを進めていた既存施設では扱いが異なります。物件取得や事業承継を検討する場合は、施設の許可・申請時期を区に確認してください。

旅館業(簡易宿所):フロントは必須ではないが、常駐体制が重要

旅館業は許可制で、住宅宿泊事業のような年間180日の営業日数上限はありません。

2026年4月1日の改正後、墨田区の簡易宿所では、玄関帳場やフロントを必ず設置するという規定はなくなりました。

ただし、玄関帳場等を設けない場合でも、本人確認・受付、鍵の受け渡し、宿泊者の出入りの確認、緊急時の対応などについて、一定の機能と体制を整える必要があります。

また、営業施設では営業時間中に営業従事者を常駐させ、施設周辺の状況を確認することが求められています。常駐するための部屋は、客室を通らずに出入りでき、十分な広さを確保する必要があり、営業従事者が利用できる便所も必要です。

そのため、これから簡易宿所を新設する場合は、「フロントをどこに置くか」よりも、常駐する従業者のためのスペースをどこに確保するかが図面上の重要なポイントになります。

なお、簡易宿所では、本人確認を対面または対面と同等の方法で行うことが認められています。対面と同等の方法として、営業者が設置したビデオカメラ等による本人確認・受付が想定されています。

一方、本人確認後の鍵の受け渡しについては適切な方法で行う必要があり、無人施設に設置したキーボックスだけで鍵を受け渡す方法は認められていません。

申請前の近隣対応:標識と説明会・戸別訪問

旅館業では、許可申請前に周辺住民等への事前周知を行う必要があります。

2026年4月1日からは、周辺住民等の範囲が拡大され、施設の敷地から20m以内の土地にある建物の所有者、居住者、管理者等が対象となります。

手順

内容

期限

標識の設置

旅館業営業計画のお知らせを掲示

許可申請の15日前まで

保健所への届出

標識設置届を提出

設置から5日以内

説明会等の告知

説明会・戸別訪問の日時等を周知

実施の5日前まで

説明会・戸別訪問

周辺住民等へ営業計画を説明

申請前に実施

説明会等の報告

実施後、報告書を提出

実施後速やかに

標識は、営業予定地の道路に接する部分に設置し、縦・横それぞれ60cm以上とする必要があります。

また、標識を設置した日から5日以内に、標識設置届を区へ提出します。説明会または戸別訪問については、実施日の5日前までに日時や場所を周辺住民等へ周知する必要があります。

説明会だけでなく、戸別訪問による説明も認められているため、物件の規模や周辺環境に応じて、どちらの方法で進めるかを事前に区へ相談しておくと安心です。

民泊新法:常駐しなければ金曜正午まで営業不可

民泊新法は届出制で、年間180日が全国共通の上限です。

墨田区では、2026年4月1日以降に届出が受理された新規施設について、届出住宅に人を宿泊させる間、事業者が不在となる場合は、区内全域で日曜日の正午から金曜日の正午まで住宅宿泊事業を実施できません。

つまり、管理者が所定の場所に常駐しない場合、原則として営業できるのは金曜日の正午から日曜日の正午までです。

一方、住宅宿泊管理業務を行う者が、届出住宅内、同一建築物、同一敷地内の建物、隣接敷地の建物など、条例で定められた場所に常駐する場合は、この曜日制限の対象外となります。

運営の形

営業できる期間

年間の上限(目安)

旅館業(簡易宿所)

毎日

営業日数の上限なし

民泊新法・管理者が所定の場所に常駐

曜日の制限なし

180日

民泊新法・管理者が常駐しない

金曜正午~日曜正午

約104日程度

2026年4月1日より前に届出受理された既存施設

従来の条件

個別確認

約104日は「52週×2泊」による概算です。実際の営業日数は、正午区切りの制度上の数え方やカレンダーによって変わります。

家主不在型など、住宅宿泊管理業務の委託が必要となる場合は、登録された住宅宿泊管理業者への委託が必要です。ただし、管理者を所定の場所に常駐させれば曜日制限を回避できる制度設計になっているため、物件を選ぶ際には管理者の常駐場所まで含めて検討する必要があります。

また、住宅宿泊事業でも、届出前日までに周辺住民等への説明会または戸別訪問による事前周知が必要です。

墨田区の物件相場(2026年8月)

指標

墨田区

23区での順位

売出中の戸建 価格(中央値)

6,280万円(64件・延床90㎡)

高い方から18位/21区

賃貸戸建 募集賃料(中央値)

月20万円(26件・73㎡)

高い方から13位/21区

一棟収益物件 表面利回り(中央値)

5.7%(67件)

高い方から2位/23区

出典:Urbalytics マーケットレポート(墨田区)。2026年8月に売出・募集されていた物件の中央値です。件数が10件に満たない指標は表示していません。

墨田区は、戸建の売出価格が23区の中では比較的低い水準にあり、一棟貸しの宿泊施設を検討する際には都心部より取得コストを抑えやすい可能性があります。賃貸戸建の賃料も都心の区と比べると抑えやすく、転貸型の固定費を組みやすいエリアです。

一棟収益物件の表面利回りは23区の中でも高い水準です。宿泊事業に転用する場合は、常駐する従業者の人件費や専用スペースの確保、消防・建築関係の工事費などを加えたうえで、普通賃貸で運用した場合と比較することが重要です。

墨田区で物件を検討するときのチェックポイント

  • 2026年4月1日の改正の対象になるか、許可・届出の時期を区に確認する

  • 旅館業なら、営業時間中に常駐する従業者のスペースと便所を確保できるか

  • 簡易宿所でフロントを設置しない場合、本人確認・受付・鍵の受け渡し等の代替設備を整えられるか

  • 無人のキーボックスだけで鍵を受け渡す計画になっていないか

  • 旅館業なら、敷地から20m以内の周辺住民等への説明・周知ができるか

  • 縦横60cm以上の標識を道路に面した場所へ設置できるか

  • 住宅宿泊事業なら、管理者を所定の場所に常駐させるかどうかを決める

  • 常駐しない場合は、金曜正午~日曜正午の営業制限を前提に収支を作る

  • 住宅宿泊事業では、届出前日までの周辺住民への事前周知をスケジュールに入れる

  • 旅館業なら用途地域を確認する。住居専用地域や工業・工業専用地域では旅館・ホテルは建てられず、第一種住居地域では3,000㎡以下に限られる

  • 住宅から転用するなら用途変更の要否を確認し、建築基準法・消防法への適合工事を見積もる

  • 区分マンションは管理規約、賃貸物件は貸主の転貸承諾を確認する

2026年4月の改正後の墨田区では、旅館業は「フロントを置けるか」よりも、営業従事者を常駐させるスペースと運営体制を確保できるかが重要になっています。

一方、住宅宿泊事業は、管理者を所定の場所に常駐させるかどうかで営業できる曜日が大きく変わります。物件を選ぶ段階から、常駐体制を組む場合と組まない場合の両方で収支を比較しておくと判断しやすくなります。

常駐スタッフの手配や清掃を含む宿泊施設の運営体制については、民泊運営代行のページでご案内しています。

よくある質問

改正前から営業している施設にも、新しい常駐義務はかかりますか?

2026年4月1日の改正では、施行時点ですでに旅館業の許可を受けている施設や、許可申請がされている施設について、一定の改正規定が適用除外とされています。

そのため、単純に「改正前から営業しているか」だけで判断せず、許可申請をした時期や施設の承継・変更の状況を含めて区へ確認してください。

墨田区で常駐すれば、民泊新法でも平日営業できますか?

原則として可能です。2026年4月1日以降に届出が受理された新規施設についても、住宅宿泊管理業務を行う者が、届出住宅内など条例で定められた場所に常駐する場合は、日曜日正午から金曜日正午までの営業制限の対象外となります。

ただし、年間180日の上限は残ります。

墨田区の簡易宿所にはフロントが必要ですか?

2026年4月1日の改正後、簡易宿所について玄関帳場・フロントの設置義務は削除されています。

ただし、フロントを設置しない場合でも、本人確認・受付、鍵の受け渡し、出入りの確認、緊急時対応などについて一定の設備・体制が必要です。具体的な設備内容は、図面を持参して保健所へ事前相談してください。

墨田区の旅館業では、標識はいつから設置しますか?

標識は、旅館業の許可申請をする日の少なくとも15日前から設置します。設置した日から5日以内に標識設置届を提出する必要があります。

また、説明会または戸別訪問を行う場合は、その5日前までに日時・場所などを周辺住民等へ周知する必要があります。ほかの区と比較する

条例・運用は改正や保健所の判断で変わることがあります。物件の取得や申請の前に、管轄の保健所へ事前相談してください。

アイキャッチ写真:潇 文 / Unsplash

MARKET DATA

墨田区の不動産相場

2026年9月時点、墨田区の戸建の売出価格の中央値は5,680万円(データ59件)で、東京都全体(5,580万円)とほぼ同水準です。一棟収益物件の期待利回りの中央値は4.64%(売出価格の中央値2億5,000万円、データ76件)で、東京都全体(5.00%)より0.36ポイント低い水準です。

戸建

売出価格(中央値)
5,680万円
建物坪単価(中央値)
230.2万円/坪

2026年9月・データ59件|東京都全体 5,580万円

一棟収益物件

売出価格(中央値)
2億5,000万円
建物坪単価(中央値)
322.9万円/坪
期待利回り(中央値)
4.64%

2026年9月・データ76件|東京都全体 5.00%

出典:Urbalytics マーケットレポート(墨田区)。売出情報(掲載中の物件)の月次中央値で、成約価格ではありません。期待利回りは年間想定賃料 ÷ 売出価格(表面利回り)です。

この記事について

執筆
ユエン(宿泊事業)

宿泊施設運営およびホスピタリティオペレーション分野で5年以上の経験を有する。日本国内の宿泊施設において、許認可取得、ゲスト対応、運営オペレーション、スタッフ連携など幅広い業務を主導。

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運営
TLL合同会社宅地建物取引業 東京都知事(1)第108202号住宅宿泊管理業 国土交通大臣(01)第F03424号

記事中のデータは出典と集計時点を明記しています。相場や制度は変わることがあるため、個別の判断は最新情報と専門家へのご相談のうえで行ってください。

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