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収益物件購入時の諸費用はいくら?内訳と計算方法、1億円の一棟アパートでの試算

約4分で読めます執筆:徳冨 絵美(宅地建物取引士)

収益物件を買うときは、物件の価格とは別に、仲介手数料や登記費用、税金、融資の手数料などの諸費用がかかります。融資を使っても諸費用は自己資金で用意するのが一般的なため、購入前にいくら必要かを把握しておくことが大切です。

この記事では、収益物件の購入時にかかる諸費用の内訳と計算方法、1億円の一棟アパートを例にした試算、決済時に受け取る・支払う精算金について解説します。

諸費用は大きく4種類

種類主な費用支払う時期
取引にかかる費用仲介手数料、売買契約書の印紙契約時・決済時
登記にかかる費用登録免許税(所有権移転・抵当権設定)、司法書士報酬決済時
融資にかかる費用事務手数料、保証料、金銭消費貸借契約書の印紙、団体信用生命保険決済時
購入後の税金・保険不動産取得税、火災保険・地震保険決済時〜数か月後

取引にかかる費用

  • 仲介手数料:不動産会社の仲介で買う場合にかかります。上限は売買価格(税抜)が400万円を超える場合「売買価格 × 3% + 6万円」に消費税を加えた額です。売主が不動産会社で、その会社から直接買う場合はかかりません。
  • 印紙税:売買契約書に貼ります。5,000万円超1億円以下は3万円、1億円超5億円以下は6万円です(軽減措置。2027年3月31日までに作成する契約書が対象)。

仲介手数料の計算方法は「仲介手数料の上限と計算方法」で詳しく解説しています。

登記にかかる費用

  • 所有権移転の登録免許税:固定資産税評価額に税率を掛けて計算します。土地は本則2%(売買による土地の軽減措置が適用される期間は1.5%)、建物は2%です。自分が住まない投資用の建物には、住宅用家屋の軽減税率は使えません。
  • 抵当権設定の登録免許税:融資を受ける場合、借入額(債権額)の0.4%です。
  • 司法書士報酬:登記手続きを司法書士に依頼する報酬です。物件の数や登記の内容によって変わるため、見積もりで確認します。

融資にかかる費用

  • 事務手数料:金融機関によって、定額型と、借入額に一定の割合を掛ける定率型があります。
  • 保証料:保証会社の保証をつける場合にかかります。事務手数料に含まれる、または金利に上乗せされる場合もあります。
  • 金銭消費貸借契約書の印紙:借入額が5,000万円超1億円以下なら6万円、1億円超5億円以下なら10万円です(こちらは軽減措置の対象外)。
  • 団体信用生命保険:保険料が金利に含まれている場合と、別に支払う場合があります。

購入後にかかる税金と保険

  • 不動産取得税:購入から数か月後に都道府県から納税通知が届きます。固定資産税評価額 × 税率で計算し、土地と住宅は3%(本則4%の軽減措置)、宅地は課税標準を2分の1にする特例があります。
  • 火災保険・地震保険:融資の条件として加入を求められることが一般的です。補償内容と期間によって保険料が変わります。

1億円の一棟アパートでの試算例

次の前提で試算します。物件価格1億円(土地の固定資産税評価額4,000万円、建物2,000万円)、仲介で購入し、8,000万円を借り入れる場合です。

費用計算金額(概算)
仲介手数料(1億円 × 3% + 6万円)× 1.1336.6万円
売買契約書の印紙軽減措置適用3万円
登録免許税(土地)4,000万円 × 1.5%60万円
登録免許税(建物)2,000万円 × 2%40万円
登録免許税(抵当権設定)8,000万円 × 0.4%32万円
金銭消費貸借契約書の印紙借入額5,000万円超1億円以下6万円
融資事務手数料例として借入額の1.1%88万円
不動産取得税(土地)4,000万円 × 1/2 × 3%60万円
不動産取得税(建物)2,000万円 × 3%60万円
合計約686万円

このほか、司法書士報酬、火災保険料、保証料などがかかります。この例では、物件価格のおよそ7%前後が諸費用の目安になります。仲介を通さない、融資を使わないといった条件で大きく変わるため、物件ごとに見積もりを取って確認します。

決済時の精算金

オーナーチェンジの物件では、決済時に次の精算を行います。

  • 固定資産税・都市計画税:その年の税額を、引渡し日を基準に日割りし、引渡し日以降の分を買主が売主に支払います。
  • 賃料:当月の賃料を日割りし、引渡し日以降の分を売主から受け取ります。
  • 敷金:売主が入居者から預かっている敷金は、退去時に返す義務とともに買主に引き継がれます。売買代金から差し引いて精算するのが一般的です。

敷金の引継ぎがある分、手元に必要な現金は少なくなることもありますが、退去時の返還に備えて資金を残しておく必要があります。

まとめ

  • 諸費用は取引・登記・融資・購入後の税金と保険の4種類。自己資金で用意するのが一般的。
  • 投資用の建物には住宅用家屋の登録免許税の軽減は使えない。
  • 不動産取得税は購入の数か月後に届く。資金計画に入れておく。
  • 1億円・仲介・融資8,000万円の例では、諸費用は物件価格の7%前後が目安。
  • 決済時は固定資産税・賃料の日割り精算と、敷金の引継ぎを行う。

トップ画像:Photo by Jakub Żerdzicki on Unsplash(イメージ)

この記事について

執筆
徳冨 絵美(仕入)保有資格:宅地建物取引士

不動産実務では営業サポート、賃貸管理、仲介を経て、現在は仕入れを担当。宅地建物取引士・簿記資格を保持し、語学・法務・財務の多角的な視点から物件価値を分析する。不動産業界で18年以上の実務経験を活かし、正確かつ迅速な対応で組織の信頼を支えている。

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TLL合同会社宅地建物取引業 東京都知事(1)第108202号住宅宿泊管理業 国土交通大臣(01)第F03424号

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