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細い路地に面した住宅(イメージ)

再建築不可・借地権・相続した築古アパートは売れる?売却方法と価格の考え方

約5分で読めます執筆:TLL編集部

「再建築不可だから売れないと言われた」「借地なので地主の承諾が必要らしい」「相続したアパートが古くて、どうしていいかわからない」。こうした物件は一般に売りにくいとされますが、売れないわけではありません。売りにくい理由を知り、物件に合った売り方を選ぶことが大切です。

この記事では、再建築不可物件・借地権付き建物・築古アパート・相続した物件について、売りにくい理由と売却方法、売却前に確認しておきたいことを解説します。

「売りにくい物件」が売りにくい理由

売りにくい物件に共通するのは、主に次の2点です。

  • 融資が付きにくい:銀行の担保評価が低く、買主が融資を受けにくいため、現金で買える買主に限られます。
  • 活用の自由度が低い:建て替えができない、地主の承諾が必要、大規模な修繕が必要など、買ったあとの制約があります。

裏を返すと、融資を使わない買主や、制約を解消するノウハウを持つ買主に向けて売れば、売却できる可能性があります。銀行評価の仕組みは「収益物件の価格と銀行評価の関係」で解説しています。

再建築不可物件

再建築不可とは、今の建物を取り壊すと新しく建物を建てられない土地のことです。多くは、建築基準法の接道義務(原則として幅員4m以上の道路に、敷地が2m以上接していること)を満たしていないことが原因です。

自分の物件が該当するかは、役所の建築指導課などで前面道路の種類(建築基準法上の道路かどうか)を確認します。主な売却方法は次のとおりです。

  • 隣地の所有者に売る:隣地と一体になれば接道を満たせることがあり、隣地所有者にとって価値が高くなる場合があります。
  • 接道を確保してから売る:隣地の一部を買う・借りるなどして接道を満たせば、再建築が可能になり価格が上がります。
  • 建築基準法43条の許可・認定を検討する:周囲に広い空地があるなど一定の条件を満たせば、特定行政庁の許可などで建築できる場合があります。
  • 買取業者に売る:再建築不可物件の扱いに慣れた不動産会社が、現状のまま買い取ります。

なお、2025年4月の建築基準法改正で、木造2階建てなどの建物でも大規模な修繕・模様替えに建築確認が必要になりました。再建築不可物件で建物を大きく改修して使い続けることが以前より難しくなっているため、売却も含めて早めに方針を決めることをおすすめします。

借地権付き建物

借地権付き建物は、土地を地主から借りて、その上の建物だけを所有している状態です。売却するときのポイントは次のとおりです。

  • 地主の承諾が必要:借地権を第三者に譲渡するには、原則として地主の承諾が必要です。承諾の際には承諾料(名義書換料)を求められるのが一般的で、金額は地主との協議で決まります。
  • 承諾が得られない場合:地主が承諾しない場合は、裁判所に地主の承諾に代わる許可を申し立てる手続きがあります(借地借家法19条)。
  • 地主に売る・底地と一緒に売る:地主に借地権を買い取ってもらう、あるいは地主と協力して土地(底地)と建物をまとめて売ると、完全な所有権として売れるため価格が上がりやすくなります。

1992年8月より前に成立した借地権は旧法(借地法)、それ以降は新法(借地借家法)の適用となり、存続期間や更新の扱いが異なります。借地契約書、地代の支払状況、更新の記録を揃えておくと、査定や地主との交渉がスムーズです。

築古アパート(旧耐震・耐用年数超過)

1981年6月より前に建築確認を受けた旧耐震の建物や、法定耐用年数を超えた木造アパートは、融資期間が短くなるか融資が付かないため、買主が限られます。売却方法は大きく3つです。

方法主な買主注意点
入居者付きのまま売る(オーナーチェンジ)現金で買う投資家、買取業者家賃収入と土地の価値で評価される
空室にしてから売る建て替えを前提にする買主入居者の立退きには正当事由と、通常は立退料が必要
解体して更地で売る建売業者、自宅を建てる個人解体費がかかる。住宅用地の特例がなくなり固定資産税が上がる

更地にすると、住宅が建っている土地に適用される固定資産税の軽減(小規模住宅用地は課税標準が6分の1)がなくなります。解体するかどうかは、売却の見込み時期と合わせて判断します。

相続した物件を売るとき

  • 相続登記が義務に:2024年4月から相続登記が義務化され、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記する必要があります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。売却には相続登記が前提になるため、まず登記を済ませます。
  • 共有のまま売るには全員の同意が必要:遺産分割が終わっていない、あるいは兄弟で共有している場合、売却には共有者全員の同意が必要です。
  • 取得費加算の特例:相続税を納めた場合、相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売却すると、納めた相続税の一部を取得費に加算でき、譲渡所得税が軽くなります。
  • 空き家の3,000万円控除は対象外のことが多い:被相続人が住んでいた家に使える特例のため、賃貸アパートは原則として対象になりません。

税額は個別の事情で変わるため、税理士に確認することをおすすめします。

査定を依頼するときに用意するもの

  • 登記事項証明書、公図、測量図(あれば)
  • 建築確認済証・検査済証(あれば)、建物図面
  • 借地の場合:借地契約書、地代の領収書、更新の記録
  • 賃貸中の場合:レントロール、賃貸借契約書
  • 相続の場合:遺産分割の状況、共有者の一覧

書類が揃っていなくても査定は可能です。わかる範囲の情報で相談し、不足する書類は査定の過程で確認していくこともできます。

まとめ

  • 売りにくい物件の多くは「融資が付きにくい」「活用の制約がある」ことが原因。買主を選べば売却できる場合がある。
  • 再建築不可は、隣地への売却・接道の確保・43条の許可・買取を検討する。2025年4月の法改正で大規模改修のハードルは上がった。
  • 借地権は地主の承諾が必要。地主への売却や底地との同時売却で価格が上がりやすい。
  • 築古アパートは、オーナーチェンジ・空室化・更地のどれで売るかを費用と税も含めて比べる。
  • 相続した物件は、相続登記(2024年4月から義務化)を済ませてから売却を進める。

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